完全にハマりました。歴史好きになったのは、それからと言っていいぐらい。
作画を担当されたのが「あおむら純」先生でしたが、残念ながら既に亡くなっておられるそうです。
アニメーター出身のあおむら先生の絵が、とても好きでした。というより、相当資料を集められてて考証し、苦労して描かれたと思います。集英社や講談社など、他の出版社の日本の歴史学習漫画と比べても、群を抜いて素晴らしい仕上がり。
当時はネット社会ではないですから、資料集めはさぞかし大変だったことでしょう。今なら、例えば秀吉の甲冑が見たければ、「秀吉 甲冑」と画像検索かければ、ずらりと出てきますからね。
それが、先日ふらりと書店に立ち寄ってみたところ、今でも変わらず売られている。
懐かしいなあ、と思ってパラパラ見ていたら、やはり最近の研究結果に基づいて絵が修正されていることに気がつきました。
しかも、あおむら先生亡き現在ですから、絵がかなり違う……まあ、その違いは仕方ないにしても、特に目を引いたのが「桶狭間の戦い」です。
まあ、とにかく見て頂きましょう。
私が小学生の時に読んだ版での桶狭間。
桶狭間は谷間が常識でしたから、信長軍は駆け下りてます。
2ページ見開きで展開される合戦絵巻に、小学生の私は感動したものです。
さて、現在売られている版ではどうなっているのか。
そうですよねー、桶狭間は山だったんですものね。
織田軍が山を駆け上がっています。
完全に山頂になってます。
なるべくあおむら先生の絵に近づけていますが、全く違います。まあ、仕方の無い事ですが。
絵は谷から山に変わっているのに、ト書きは「地形を利用したたくみな奇襲戦法」のままになっています。
今更説明するまでもないでしょうが、桶狭間は山でした。
最近の歴史研究でそうなっていたことに気がついたのは、確かNHK大河ドラマ『利家とまつ』の時でした。
反町演じる織田信長が、今川軍を攻める時「桶狭間山を駆け上った」とナレーションで言っていたのを思い出します。確かに山で戦っていましたよ、利家が。
ともあれ、作家は亡くなってしまわれましたが、歴史研究は日々発展変化しますから、学習漫画としては絵を修正せざるをえない状況になりますよね。
だから、親が使った学習参考書や教科書を、そのまま自分の子供に使わせるなどはできない訳です(笑)。
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